9/18 レカム株急騰の背景を公式資料で徹底解説

9/18にレカム〈3323〉株が急騰した本当の理由を整理
9月18日の東京市場でレカム株は午前中に一時150円台へ乗せ、前日終値比+20%超のストップ高水準まで買われました。前日17日の終値145円(+16.9%)に続く連日の大幅高で、出来高も通常の数十倍に膨らみ、年初来高値を更新しています。背景を追うと、(1)9月16日に開示されたデータセンター関連の新規イベント参画、(2)9月9日に発表したAIエージェント事業の本格始動、(3)8月8日公表の好調な第3四半期決算――という3つの“公式材料”が短期間に連発したことが投資家の思惑買いを誘発した構図が浮かびます。さらにテクニカル面でも52週高値ラインを明確に突破したことで、短期資金の追随買いと空売りの買い戻しが加速し、急騰に拍車を掛けました。Investing.com株価データ
直接要因:データセンター国際展示会への参加を開示
16日夜に適時開示された「Data Centre World 2025 Supermicro社ブースへの参加およびネットワーキングイベント開催に関するお知らせ」は、市場が最も強く反応した材料です。同社シンガポール子会社Taknet Systemsが10月8~9日にMarina Bay Sandsで開かれる東南アジア最大級のデータセンター展示会へ出展し、AMDやSupermicroと共同イベントも主催すると発表。海外ソリューション事業の拡大が具体的に示されたことで、半導体・AI関連の連想買いが一気に膨らみました。開示PDF
- グローバル大手Supermicro・AMDと協業を明示
- 東南アジア市場でのサーバーソリューション拡販を狙う
- 「中長期的企業価値向上につながる」と会社側も言及
AIエージェント事業の始動で成長シナリオに厚み
9月9日のリリースでは、中国Intelligence Indeed社と共同開発した「AIエージェントプラットフォーム日本語版」のローカライズ完了と10月1日の外販開始予定が公表されました。生成AIとRPAを組み合わせ、請求書処理や経営指標レポートまで自動化する本サービスは、既に社内導入を開始済み。RPA・BPO既存顧客へのクロスセルや海外展開も計画されており、中期的な収益ドライバーとして評価が高まりました。開示PDF
AI関連銘柄への物色が活発な中、同社は“実需につながるAI”という切り口を提示。9月10日以降、出来高変化率ランキングの常連となり(10日時点で前週比+327%)、短期資金が流入しやすい地合いを形成していました。株探出来高ランキング
テクニカル面:52週高値ブレイクと信用需給の好転
株価は8月下旬の年初来高値114円を上回った後、わずか3週間で150円まで駆け上がりました。短期移動平均線が長期線を一気に上抜くゴールデンクロスが発生し、テクニカル系ファンドの買いシグナルが点灯。信用取引残高は9月第2週から売り残優勢に傾き、踏み上げ圧力が強まった点も急伸を後押ししました。日々公表ベースの出来高は9月10日の2400万株から18日には3000万株台へ拡大し、流動性の劇的改善がストップ高張り付きにつながったとみられます。株価データ
下支え材料:第3四半期で過去最高益を更新
ファンダメンタルズ面では、8月8日に公表された2025年9月期第3四半期(10~6月)決算で売上収益99.1億円(前年同期比+20.7%)、営業利益2.84億円(同+189%)と過去最高を更新。シンガポール子会社が牽引した海外ソリューション事業の伸長に加え、販管費削減が利益を押し上げています。好業績が今回の材料相場の“土台”となり、イベントドリブンの買い戻しを呼び込みやすい状況を作りました。決算説明資料
会社側は11月11日に通期決算を予定しており、AI・データセンター両テーマの寄与がどの程度数値に反映されるかが次の焦点となります。短期的には過熱感も意識されますが、中・長期の業績裏付けが示されれば、押し目での買い需要が継続する可能性があります。