対話で企業価値を磨く!「SBIダルトン日本アジア・アクティビストファンド」を丸ごと解説――設定背景・投資基準・手数料まで分かる決定版ガイド

対話で企業価値を磨く!「SBIダルトン日本アジア・アクティビストファンド」を丸ごと解説――設定背景・投資基準・手数料まで分かる決定版ガイド
ライター:関野 良和

ファンド概要

SBIアセットマネジメントは2025年12月17日に「SBIダルトン日本アジア・アクティビストファンド」(以下、本ファンド)を設定しました。本ファンドは日本を主軸に韓国・台湾・インドなどアジア企業へ対話(エンゲージメント)を通じた企業価値向上を狙う公募投信です。募集開始は12月3日、運用委託先はアクティビスト運用に豊富な実績を持つダルトン・インベストメンツ・インク(米国)となります。低コストで個人投資家も参加できるアクティビスト戦略として注目されています。設定のお知らせ(PDF)

ダルトンは長期バリュー投資と厳格なリスク管理を特徴とし、SBIグループの販売網を通じて同社のアジアン・アクティビズムが一般投資家に開放される形です。これまで機関投資家に限定されがちだったα(超過収益)源泉を、投資信託という器で広く共有する狙いがあります。

運用の特徴と投資基準

本ファンドが採用する投資基準はダルトン独自の4項目です。

  • 強固な競争優位性と安定的キャッシュフロー
  • 本源的価値に対して割安な株価
  • 経営改善余地と株主リターンの両立可能性
  • 株主との対話に前向きな企業姿勢

これらを満たす銘柄を厳選し、集中度の高いポートフォリオを構築。必要に応じて経営陣との対話や議決権行使を通じて資本効率の改善を促します。資料では対話例や改善プロセスのフローも示され、投資家が成果を追跡しやすい仕組みが用意されています。公式資料

手数料とコスト構造

信託報酬は年率1.518%(税込)。加えて基準価額がハイ・ウォーター・マーク(当初10,000円)を上回った部分に13.2%(税込)の実績報酬が発生します。成功報酬型を採用することで投資家と運用会社の利害をそろえ、成果に応じて報酬が変動するフェアな料金体系が特徴です。その他の費用(監査報酬・売買手数料など)は運用状況により変動します。詳細は交付目論見書で確認できます。

個人投資家に開放された理由

SBIアセットは「企業価値をともに育てる投資」を掲げ、エンゲージメントによるアルファを個人の長期資産形成に取り込むことを狙っています。ダルトンがこれまで機関投資家向けに提供してきた戦略を投資信託化することで、最低1万円程度から参加可能となり、国内外のコーポレートガバナンス改革の成果を享受しやすくなりました。「アジアン・ディスカウント」の解消が進む市場環境も追い風とされています。

運用会社ダルトン・インベストメンツとは?

ダルトン・インベストメンツは1999年創業の独立系運用会社で、ロサンゼルスを本拠に東京・香港・ソウルなど7都市に拠点を持ちます。アジア株に特化した長期バリュー投資とエンゲージメントを強みとし、2025年6月末時点の運用資産残高は約83億ドル(同資料換算)。創業者ジェームズ・ローゼンワルドⅢ氏はNYU Sternでバリュー投資を講義するなど教育活動も積極的です。Dalton公式サイト

長年培ったボトムアップ・リサーチと機動的なポートフォリオ運用を組み合わせ、リスク調整後リターンを追求する姿勢が本ファンドにも反映されています。将来の投資プロセスやエンゲージメント結果は、SBI証券サイト上のレポートや動画で定期的に開示される予定です。

執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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