平均受給額15万円vs6万円──インフレと社会保険料が削る老後家計を公式統計で徹底解説

平均受給額15万円vs6万円──インフレと社会保険料が削る老後家計を公式統計で徹底解説
ライター:101LIFE 編集部

厚生年金と国民年金の受給実態と生活コストの今

1.公的年金の平均受給額のギャップ

厚生労働省の最新資料「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢厚生年金(基礎年金分を含む)の平均月額は15万1,142円、一方で国民年金(老齢基礎年金)の平均は5万9,431円。受給者数はそれぞれ1,578万人と3,305万人で、制度間の給付水準格差がはっきり示されました。

厚生年金は報酬比例部分が上乗せされるため、現役時代の就労形態によっては受給総額が国民年金の2倍以上になるケースも少なくありません。結果として世帯の老後資金には「加入歴と働き方」が色濃く反映される仕組みとなっています。

2.物価上昇による年金実質価値の目減り

総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」では、2024年の前年比上昇率が2.7%、2025年は3.2%と高水準が継続。基準年2020年=100とした総合指数は2025年に111.9へ達し、2年間で6%超の値上がりとなりました。

平均月額15万円の厚生年金を実質換算すると、2023年比で年間約5万円の購買力が失われる計算です。年金額は物価スライドで調整されるものの、マクロ経済スライドによる抑制が働くため、インフレ率を下回る伸びにとどまりやすい点が課題です。

3.高齢夫婦無職世帯の家計収支

家計調査「2025年平均結果」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の月間実収入は25万4,395円。うち91.7%(23万3,208円)が公的年金など社会保障給付です。可処分所得22万1,544円に対し消費支出26万3,979円で約4万円の赤字となり、貯蓄取り崩しで補填している実態が浮かびます。

支出内訳では食料費7万8,964円、交通・通信費2万3,540円と並んで、社会保険料が5万1,341円と重くのしかかります。固定費化しているため、単純な節約だけでは赤字解消が難しい構造です。

4.医療・介護保険料の負担増

介護保険料(65歳以上第1号被保険者)は第9期(2024〜26年度)の全国平均基準額が月6,225円と、第8期比3.5%増加厚労省資料。さらに後期高齢者医療の2026・27年度平均保険料は月7,989円と、前期より578円(7.8%)上昇予定厚労省発表です。

夫婦世帯で見ると、医療+介護保険料だけで年間約17万円に達し、家計の中では「食費1か月分」に匹敵。保険料率が上がり続ける一方で年金の伸びが鈍い現状は、実質手取りの持続的な圧迫要因となっています。

5.老後家計を守るためにできること

  • 生活費の固定費見直し(通信・保険の契約更新時に比較)
  • 自治体の介護・医療費減免制度を確認し、該当する場合は早めに申請
  • つみたてNISA等の非課税制度を活用し、少額でも長期・分散投資でインフレに備える
  • 退職後も週数日の就労で厚生年金加入を継続し、将来の年金額と在職老齢年金を上積み
  • 健康維持による医療費抑制と自治体主催の健康増進講座の活用
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