副業・兼業が当たり前の時代に必読!マルチワーカーを阻む「社会保険適用の壁」と最新制度対応
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保険ニュース|
副業時代に浮上した「社会保険適用の壁」とは?
副業や兼業が一般化し、複数の事業所で働く「マルチワーカー」が増えています。しかし健康保険と厚生年金保険の加入可否は、週所定労働時間20時間以上かつ月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上などの要件を事業所ごとに判定する仕組みのままです。たとえばA社で週15時間、B社で週15時間と働く場合、それぞれの事業所単独では要件を満たさないため被保険者になれず、本人が国民健康保険と国民年金に加入して全額負担する「適用の壁」が生じます。
- 週の所定労働時間20時間以上
- 月額賃金8.8万円以上(地域最低賃金が1,016円の場合)
- 2か月超の雇用見込み など厚生労働省資料
マルチワーカーが直面する具体的課題
マルチワーカーは「労働時間や賃金を複数社で合算して判定できない」という制度上の前提により、本来なら被用者保険でカバーされる傷病手当金や出産手当金、老齢厚生年金などを受け取れないリスクがあります。一方、雇用保険は65歳以上に限り複数社の労働時間合算が認められる試行制度が開始されており厚労省リーフレット、同じ働き方でも制度間で扱いが異なる点が課題として浮き彫りになっています。
- 社会保険料を全額自己負担するため手取りが減少
- 傷病・出産給付が国民健康保険では不十分
- 老後は国民年金のみで厚生年金相当が上積みされない
- 雇用保険との制度差で「二重基準」が発生
制度改正の動向と企業・個人が取るべき対応策
被用者保険の適用拡大は段階的に進行中で、2024年10月に企業規模要件が「従業員101人超」から「51人超」へ引き下げられ、2027年10月には「36人超」へ、さらに2035年10月には10人以下の事業所まで広がる予定です社会保険適用拡大特設サイト。しかし合算判定の検討は未着手であり、マルチワーカーにとって壁は依然高いままです。
- 企業側:副業人材に対し労働時間管理を徹底し、社会保険適用の可否と負担を説明する。
- 本人:国民年金の付加年金やiDeCoで不足分を補う、労働時間を整理して主たる勤務先を一本化するなど自衛策を検討する。
- 政策サイド:労働時間・賃金の合算判定や共通番号活用など、マルチワーカーを前提とした制度設計の議論を急ぐ必要がある。