SOMPOひまわり生命の健康アプリ、貯めた保険ポイントを「Vポイント」に交換可能へ――日常決済につながる制度改定の全貌

SOMPOひまわり生命の健康アプリ、貯めた保険ポイントを「Vポイント」に交換可能へ――日常決済につながる制度改定の全貌
ライター:関野 良和

ニュース概要

2025年12月2日、SOMPOひまわり生命は健康支援アプリ「MYひまわり」のポイントプログラムを改定し、従来のAmazonギフトカードに加えて三井住友カード系の「Vポイント」など外部ポイントへ交換できるようにしました。アプリで得た「MYひまポイント」を歩数計測や健康診断登録で貯め、生活決済で汎用性の高いVポイントへ等価交換できる仕組みが整います。SOMPOひまわり生命プレスリリース(2025年12月2日)

ポイント交換先の拡充は利用者の選択肢を広げ、キャッシュレス決済と保険サービスを橋渡しする新たな顧客体験を生み出す狙いがあります。特にVポイントは全国のVisa加盟店やネット決済で小数点単位から使えるため、健康行動が日常消費へ直結しやすくなる点が今回の改定の目玉といえます。

改定のポイント(要点)

  • 新名称「MYひまポイント」を新設し、健康診断登録・年1回の健康行動7項目・保険事務手続き7項目で必ず付与。
  • 歩行など毎日の健康行動3項目で抽選権「ガチャコイン」を付与。
  • 交換先をdポイント、Ponta、PayPayポイント、Vポイント、nanacoギフト、FamiPayギフトへ拡大。
  • 株式会社ギフティの「giftee Point Base」と連携し、アプリ内で付与から交換まで完結。

これにより、アプリ操作だけで外部ポイントへ即時移行できるユーザビリティが実現し、健康維持へのインセンティブが一段と高まります。同プレスリリース

背景と狙い

SOMPOひまわり生命は「インシュアヘルス」戦略の下、保険と健康を結び付ける商品・サービスを拡充しています。契約者が健康であり続ければ保険金支払いが抑えられ、保険会社と顧客の双方がWin-Winになるモデルです。今回のポイント改定はその推進策として、外部ポイントを媒介に「日常的に使えるリターン」を用意し、健康行動の継続を後押しすることが目的です。

特にVポイントは三井住友カードやSMBCアプリなど利用シーンが広く、キャッシュレス志向の若年層とも親和性が高いため、同社は新規顧客の獲得だけでなく既存層のエンゲージメント向上も狙っています。MYひまわり公式ページ

利用者への影響

健康行動で貯めたポイントがVポイントへ直接変換できるようになったことで、ユーザーはウォーキングや書類提出など“小さな行動”の価値を実感しやすくなりました。Vポイントは1ポイント=1円相当で利用でき、スマホ決済「VポイントPay」残高へのチャージやVisaタッチ決済対応加盟店での利用も可能なため、健康行動の成果が即座に日用品の購入やランチ代に替えられます。

また、交換先の多様化により、家計ポイントを一本化したい層や家族間でポイント共有したい層にも魅力が広がり、アプリ継続率の向上が期待できます。

今後の展開

プレスリリースによると、ウォーキングチャレンジには約1万人が参加しており、同社は「利用者の声を踏まえ新機能を順次リリースする」とコメントしています。将来的には取得した行動データと保険料率や保障内容を連動させ、健康維持に積極的な顧客へメリットを還元する動きが強まるとみられます。

MYひまわりアプリはすでにオンライン手続きのハブとして機能しており、ポイント制度を軸に利用頻度を高めることで、デジタル完結型の顧客体験を深化させる狙いがあります。保険とキャッシュレス決済が接近する流れは他社にも波及し、業界全体のサービス競争が加速しそうです。

執筆者のプロフィール
関野 良和
大手国内生命保険会社や保険マーケティングに精通し、保険専門のライターとして多メディアで掲載実績がある。監修業務にも携わっており、独立後101LIFEのメディア運営者として抜擢された。 金融系コンテンツの執筆も得意としており、グローバルマクロの視点から幅広いアセットクラスをカバーしているが、特に日本株投資に注力をしており、独自の切り口でレポートを行う。 趣味のグルメ旅行と情報収集を兼ねた企業訪問により全国を移動しながらグルメ情報にも精通している。
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