67歳再雇用でも厚生年金を払う理由と月収18万円ケースの損得を徹底解説【2026年版】
67歳で再雇用されたとき厚生年金保険料が給与から差し引かれるのはなぜ?
定年後に嘱託や有期契約などで再雇用されても、労働時間・日数がおおむね正社員の4分の3以上であれば、会社は労働者に厚生年金保険を適用し続ける義務があります。これは厚生年金保険法第12条で「70歳に達する日の前日」まで被保険者資格が存続すると定められているためです。したがって67歳で月収18万円を得るケースでも、社会保険料は原則として給与天引きとなります。高齢者であっても労使折半で保険料を負担する点は現役世代と同じで、事業主は納付を怠ると追徴や罰則の対象になります。詳細は厚生労働省「厚生年金保険の被保険者資格と保険料」で確認できます。
厚生年金保険料が70歳になるまで徴収される法的根拠
厚生年金は65歳で受給開始を迎えても、70歳到達前に被用者として賃金を得る限り、加入と保険料納付が続きます。背景には「職域で得た賃金には連帯して負担する」という社会保険の仕組みがあり、同法第17条は事業主に届出義務を課しています。加えて高年齢雇用安定法に基づく「65歳超雇用推進措置」が浸透し、企業側が再雇用を選択するケースが増加。厚労省の調査では67歳以上で就労する者の7割超が社会保険適用の働き方を選んでいます(同省「高年齢者雇用状況報告」)。
月収18万円の場合の標準報酬月額と保険料額のめやす
厚生年金の保険料は標準報酬月額(等級制)で決まります。月収18万円は2026年度表で等級14(17万円以上19万円未満)に該当し、標準報酬月額は18万円となります。
- 保険料率:18.300%(労使折半で各9.150%)(厚労省告示)
- 月額保険料:18万円×18.300%=32,940円
- 本人負担分:16,470円 / 事業主負担分:16,470円
手取りは保険料や税金を差し引いて計算されるため、再雇用後に「思ったより少ない」と感じる要因はこの保険料にあります。ただし納めた分は将来の年金額に反映されるため、単純なマイナスではありません。
保険料を払うことで増える年金額とその他メリット
67~69歳の間に納めた保険料は70歳到達時に「老齢厚生年金の額改定」として加算されます。加算額は1か月の加入につき平均標準報酬月額×5.481/1000で計算され、月収18万円の場合、1年で約1,184円(年額約1万4,200円)が増額されます(日本年金機構)。
- 長生きリスクに備えられる:終身で受け取れるため、90歳を超えても上乗せが続きます。
- 在職老齢年金の調整緩和:2022年4月から67歳以上は賃金+年金の月額上限が65万円→70万円に緩和され、働きながら年金を減額されにくくなりました。
- 遺族年金の基礎額アップ:本人死亡時、遺族厚生年金にも改定後の報酬比例部分が反映されます。
手取りが減っても損をしないためのポイント
再雇用契約を結ぶ前に「総支給」ではなく「手取り後」で生活設計を立てることが肝心です。
- 就業規則で社会保険加入条件を確認し、短時間勤務で適用除外にできるか検討する。
- 給与と年金の合計が在職老齢年金の70万円基準を超えないよう、月例給与・賞与の配分を見直す。
- 65歳以降は雇用保険の高年齢雇用継続給付(最大賃金差額の15%支給)も受けられるため、保険料負担と合わせた実質手取りを試算する。
- 2026年10月開始予定の「年金記録オンライン確認サービス」へ登録し、毎月の保険料反映を自分で点検する。
これらを踏まえ、保険料負担を単なるコストではなく「生涯収入を増やす投資」として捉えることで、67歳以降の働き方の選択肢が広がります。