慢性疼痛の鎮痛薬が25%自己負担増に?厚労省「OTC類似薬」保険除外案の全貌と患者への影響

慢性疼痛の鎮痛薬が25%自己負担増に?厚労省「OTC類似薬」保険除外案の全貌と患者への影響
ライター:101LIFE 編集部

厚労省が慢性疼痛患者向け鎮痛薬をOTC類似薬扱いで一部保険除外へ――制度創設の狙いと影響

厚生労働省は2026年7月22日の「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」で、慢性疼痛の外来患者に広く処方される医療用鎮痛薬の一部を、一般用医薬品(OTC)と同等とみなして保険給付から25%分を除外する案を提示しました。医療費の伸びを抑えつつ、OTCを自己負担で購入している国民との公平性を確保するのが目的です。対象はロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンなど77成分1,100品目で、導入時期は2027年3月を予定しています。厚労省「資料1」

新制度では、患者が保険診療でこれらの鎮痛薬を受け取る際、現行の一部負担(例:3割)に加えて薬剤費の25%を追加で自己負担します。高齢者の負担割合や高額療養費制度の上限は従来どおり適用されるものの、慢性的に薬を使用する患者には実質的な負担増となる点が注目されています。OTC類似薬 技術的検討会

対象となる医療用鎮痛薬と除外水準

今回の一部保険外療養の対象は「成分・剤形・最大用量がOTCと一致する医療用医薬品」で、慢性腰痛・変形性関節症・月経痛など幅広い疼痛管理に使われています。具体的にはロキソプロフェンNa、イブプロフェン、アセトアミノフェン、ジクロフェナクNaほか、坐薬・貼付剤も含む計77成分です。厚労省は医療用とOTCで効能効果の広さに差がある点を整理しつつ、OTC範囲に該当すると判断した使用分のみ25%を保険から除外すると説明しています。同資料

  • 保険給付:薬剤費の75%+自己負担分(3割など)
  • 保険外部分:薬剤費の25%(自己負担100%)
  • 高額療養費の計算対象外となるのは保険外部分のみ

制度導入の背景と財政試算

厚労省は薬剤費全体の約1.3%を占めるOTC類似薬へ年間1,800億円の公費が充てられていると試算し、制度導入で初年度約450億円を削減できると見込んでいます。社会保障審議会医療保険部会では「国民皆保険の持続性確保につながる」と一定の支持が示された一方、「受診抑制や市販薬の乱用につながる」との懸念も強く、丁寧な実態把握と影響評価が求められています。厚労相会見

患者・医療現場の懸念と配慮措置

がん性疼痛や難病、抜歯後など短期で確実な鎮痛管理が必要なケースは負担増が患者の治療継続を阻害しかねないため、厚労省は「別途の負担を求めない療養」として除外対象から外す方針を示しました。具体的には、①がん・難病患者、②低所得で公費医療の支援を受ける人、③長期・通年で治療継続が必要なアトピー性皮膚炎などが配慮対象となります。検討会議事要旨

一方、医師からは「市販薬には含量違いや相互作用の説明不足があり、処方薬を控えると自己判断の服薬が進む」との指摘も上がっています。薬剤師会は重複投薬やリスクの高い併用を防ぐため薬局での服薬指導体制を強化する方針を打ち出しました。

今後のスケジュールと意見募集

技術的検討会は2026年度内に成分リストと適用細則を最終決定し、中央社会保険医療協議会を経て告示を行う予定です。パブリックコメントは2026年10月頃に実施され、医療従事者・患者団体からの意見を踏まえて最終調整が行われます。来年1月には医療情報システムの導入テストが始まり、2027年3月の施行時にはレセプト電算処理で保険外部分を自動計算できるよう改修が完了する計画です。制度開始後3年以内に効果検証と対象薬拡大の是非を再評価するとしています。検討会資料

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