バイク店の自賠責取り扱い維持へ自民党PTが提言 免許緩和と安全対策を両立する新制度を後押し
自民党PTが自賠責保険取り扱いの継続支援を提言
自由民主党の二輪車問題対策プロジェクトチーム(PT)は2026年7月1日、バイク販売店が自動車損害賠償責任保険(自賠責)を円滑に取り扱えるよう、代理店制度の見直しを求める提言をまとめました。自動車業界で導入が進む「代理店業務品質評価制度」により販売店が資格を失う恐れが指摘されたため、PTは基準の柔軟運用や講習機会の確保などを国土交通省・金融庁に働き掛ける方針です。オートバイ流通新聞(2026年7月9日)によると、会合では業界団体から「保険を扱えなければユーザーサービスが低下する」との危機感が共有されました。
PT座長の大岡敏孝衆院議員は「二輪店は地域密着の交通安全拠点。保険業務の継続はユーザー保護に直結する」と強調。今後、関係省庁と詳細協議を行い、2026年秋の税制・制度改正要望に盛り込む考えを示しました。
「代理店業務品質評価制度」で二輪販売店が抱える課題
同制度は保険代理店の業務品質を点検し、基準未達成の場合は取扱い停止もあり得る仕組みです。四輪ディーラーでは既に適用が進む一方、従業員数が少ない二輪店では「教育コスト」と「帳票管理」の負担が大きく、評価に必要な内部監査体制を構築できないケースが目立っています。結果として「保険契約を断らざるを得ない店舗が出始めている」との報告がPTに寄せられました。
提言では以下の対策が示されています。
- 講習・試験をオンライン化し、地方店舗でも受講しやすくする
- 帳票の電子化を進め、事務負担を軽減
- 二輪店向けチェックリストを作成し、評価基準を明確化
提言のポイント:二輪店への支援と手続き簡素化
PTは制度変更だけでなく、業界自らが品質向上に取り組める枠組みも提案しました。具体的には、日本損害保険協会と全国オートバイ協同組合連合会が共同で「二輪販売店保険サポートセンター(仮称)」を設置し、相談窓口と自己診断ツールを提供する案が検討されています。また、保険料の計上・精算を自動化するクラウドシステム導入に対し、中小店が利用しやすい補助金措置を求める声も強調されました。
国土交通省の「自賠責保険に加入するには」によれば、自賠責は販売店が主要な加入窓口の一つであり、店舗網が細るとユーザーの加入率低下が懸念されます。国土交通省は「250cc以下はコンビニ等で契約可能」としていますが、高齢ユーザーには店頭手続きの需要が根強い実態も報告されました。
免許制度見直しとの連動:125ccまで原付免許で運転可能に
自賠責議論と並行して、警察庁は2025年4月から総排気量125cc以下・最高出力4kW以下の二輪車を原付免許で運転できるよう規制を改正しました。警察庁は「簡便で身近な移動手段を維持するため」と説明していますが、PTでは「免許緩和に対応した保険料テーブルや教育教材の整備が急務」との意見が相次ぎました。
提言は免許区分変更に伴うリスク管理として、以下の措置を国に求めています。
- 新基準原付向けの安全運転講習をオンラインで義務化
- 販売時に保険・ナンバー取得済みか確認する法的手続きの強化
- 出力改造防止のため、車体に識別シールを貼付
業界団体・省庁の反応と今後のスケジュール
会合には日本自動車工業会、全国オートバイ協同組合連合会、二輪車用品工業会などが出席。国土交通省、金融庁、警察庁の担当者は「現行制度の趣旨を損なわずに現場負担を減らす方向で検討する」と前向きな姿勢を示しました。PTは2026年9月までに中間報告をまとめ、与党税制改正大綱と並行して関連省令改正を目指すとしています。
利用者サイドからは「保険加入のハードルが下がれば無保険車の減少につながる」と歓迎する声がある一方、125cc解禁を巡り「車体性能と運転技能のミスマッチ」を懸念する意見も残っています。PTは年内にパブリックコメントを実施し、最終案を取りまとめる予定です。