46兆円時代を乗り切る!令和8年医療保険制度改正の5大ポイントと財源・自己負担のリアルを徹底解説
令和8年改正の背景
国民医療費は令和5年度で約46.4兆円と過去最高を更新し、依然として伸びが続いています。財源の半分弱を保険料が占め、残りを公費と患者自己負担で賄う構造は持続可能性が課題です。こうした中、令和8年5月29日に健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、給付と負担のバランスを見直す五つの施策が示されました。
ポイント1:OTC類似薬の保険給付見直し
何が変わる?
かぜ薬や湿布など市販薬(OTC)で代替できる医療用医薬品について、保険給付の対象外とする仕組みを創設します。医師が必要性を認めた場合などは例外としつつ、軽度な症状は自己負担で対応することで保険財源を節約するねらいです。
- 対象成分リストは技術的検討会で順次公表
- 実施時期は令和8年度内を予定
ポイント2:高額療養費制度に年間上限を新設
これまで月単位で負担上限を設定していた高額療養費制度に、年間上限(合算額140万円:一般所得者の場合)が導入されます。複数月にわたり治療を受けても、それ以上の自己負担は発生しません。月額上限そのものも所得ごとに微調整されます。
ポイント3:後期高齢者医療で金融所得を公平に反映
上場株式の配当などの金融所得を確定申告していない場合でも、マイナンバー連携情報を用いて所得判定に反映します。これにより高所得者が1割負担にとどまる逆転現象を解消し、負担能力に応じた2〜3割負担へ是正します。
ポイント4:出産費用の自己負担ゼロへ
出産にかかる標準的費用(約50万円)を保険給付の対象とし、妊婦の窓口負担をなくす方向が示されました。医療機関の費用透明化を併せて進め、追加サービスのみ追加料金とする設計です。詳細は診療報酬改定で詰められ、2027年4月以降の段階的導入が想定されています。
ポイント5:マイナ保険証・オンライン資格確認の円滑化
改正法はマイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」を利用しやすくする規定を整備。スマートフォン提示による資格確認や訪問診療での経過措置を明確化し、2026年度中に全医療機関での常時対応を目指します。医療DX基盤の強化でレセプト・薬剤情報の共有も拡大します。
医療費財源と自己負担の現状
最新統計では、保険料(労使折半)が46.5%、公費が41.2%、患者自己負担が12.3%を占めます。自己負担割合は年齢・所得で異なり、70歳未満:原則3割、70~74歳:2割(現役並み3割)、75歳以上:1~3割です。高額療養費制度や子ども医療費助成により実質負担はさらに軽減されるものの、医療費増に伴う保険料と公費の伸びが財政を圧迫しています。
- 令和5年度一人当たり医療費:約36.8万円
- 国庫負担(税)のうち高齢者医療分:約16.2兆円
- 診療報酬改定率(令和8年度予定):+0.42%