4〜6月の残業代月7万円アップが招く社会保険料増――40代男性の7月手取りはどう変わる?

4〜6月の残業代月7万円アップが招く社会保険料増――40代男性の7月手取りはどう変わる?
ライター:101LIFE 編集部

なぜ4〜6月の残業代が保険料計算のカギになるの?

社会保険(健康保険・厚生年金)の保険料は、毎年7月上旬に事業主が提出する「算定基礎届」で見直されます。対象となるのは4・5・6月に支払われたすべての報酬──基本給だけでなく残業代や通勤手当まで含む総支給額です。法律上、平均額を算出し標準報酬月額に当てはめる方式が定められており、繁忙期で残業代が増えるとその分だけ平均も膨らみます。今回のケースのように毎月7万円の残業代が3か月連続で発生すれば、前年より2等級以上アップする可能性が高まります。健康保険法41条・厚生年金保険法22条

7月の手続きスケジュール――提出日と通知日

算定基礎届の提出期限は7月10日(紙提出の場合。電子申請は11日23時59分まで)です。日本年金機構が内容を審査し、新しい標準報酬月額が決定されるのは7月下旬〜8月頃。決定通知書が会社に届くと給与ソフトへ反映され、従業員にも控えが配布されます。4〜6月の平均額が旧等級と2等級以上ずれた場合でも、この時点ではまだ保険料控除額は変わりません。日本年金機構「算定基礎届の記載例」

実際に保険料が上がるのは「9月分」から

定時決定で確定した標準報酬月額は、法律で「9月から翌年8月まで」適用すると定められています。会社の多くは9月給与(当月払いなら9月末支給分)から新しい保険料率を用いて控除を行います。そのため7月・8月の給与明細に記載される社会保険料額は旧等級のまま据え置きです。「7月にいきなり保険料が高くなる」という心配は不要で、実際に差額を体感するのは秋口になります。協会けんぽ「算定基礎届Q&A」

残業代7万円増×3か月がもたらす差額

  • 旧標準報酬月額:30万円(報酬月額区分:30〜32万円)
  • 4〜6月平均報酬:37万円(30万円+残業7万円)
  • 新標準報酬月額:38万円等級に昇格(報酬月額36.5〜38.5万円)
  • 健康保険(東京支部 一般保険料率9.98%+介護1.62%=11.60%)
  • 厚生年金(保険料率18.30%)

従業員本人負担は各保険料率の半分です。差額を計算すると――

  1. 健康保険:38万円×5.80%−30万円×5.80%=約4,640円/月増
  2. 厚生年金:38万円×9.15%−30万円×9.15%=約7,020円/月増

合計で毎月約1万1,660円の控除増。9月給与以降1年間続くとおよそ13万円の負担増になります(介護保険料率は40〜64歳のみ適用)。保険料率は都道府県で異なるため、ご自身の支部率で再計算してください。協会けんぽ令和8年度保険料率・厚生年金保険料額表

7月給与で気をつけたい“例外”ケース

残業代は「非固定的賃金」のため、原則として随時改定(月額変更)の対象外です。ところが基本給の昇給・手当の増額など「固定的賃金」にも変動があった場合は別。変動月から3か月間の平均が2等級以上変わると、4か月目(例:4月変動なら7月)の保険料が前倒しで改定されます。4〜6月の残業代増と同時に固定給も上がっている場合は、7月給与から保険料が高くなる可能性があるので就業規則や辞令の発効日を確認しましょう。日本年金機構「随時改定(月額変更届)」

まとめ:残業増は秋以降のキャッシュフローに備える

4〜6月の残業手当が多いと、9月分からの社会保険料が上がり家計にじわりと響きます。7月時点で明細に変化がなくても、9月以降の可処分所得は減る見通しです。賞与や住宅ローン返済の計画を立てる際は、このタイムラグを織り込んでおくと安心です。

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