財政審が6月26日建議──介護「2割負担」対象拡大で高齢者の負担見直しを本格議論
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財政審、介護保険「2割負担」の対象拡大を正式提案
財政制度等審議会(財政審)は2026年6月26日、建議「人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営」を財務大臣に提出しました。建議の95ページでは、介護サービス利用者の自己負担割合について「現行よりも2割負担の対象者を拡大すべき」と明記し、年収230~260万円層を念頭に早急な結論と実施を求めています。建議本文PDF
同建議は、介護保険の持続可能性を確保するうえで「能力に応じた全世代の支え合い」を掲げ、医療保険に倣い利用者負担を段階的に見直す必要性を強調。財政審は2024年11月13日の分科会資料でも同趣旨を提示しており、今回の建議で方針を正式に取りまとめました。2024年11月資料
提案のポイント
- 年金収入230~260万円層を主対象とし、2案(負担上限月0.7万円案/資産要件付与案)で検討。
- 高額介護サービス費や医療・介護合算制度により、負担増は平均1.2万円/月にとどまると試算。
- 導入済みの2割・3割負担で利用控えが限定的だった実績を踏まえ、「影響は小さい」と評価。
対象拡大の具体像
建議は、厚労省・社会保障審議会で検討された2つの具体案を引用しています。案1は年収基準を引き下げつつ負担上限を月0.7万円に設定、案2は預貯金が一定額以下の人は申請により1割へ戻す仕組み。いずれも2027年度開始の第10期介護保険事業計画までに結論を得る工程が示されました。所得だけでなく資産の保有状況を勘案する「きめ細かな負担割合」も同時に検討すると明記されています。
想定される影響と課題
財政審は、施設介護利用者の平均負担(3.2万円/月)が高額介護サービス費の上限4.4万円/月に近いため、2割化しても実負担増は平均1.2万円/月に収まると分析。医療保険側の高額医療介護合算制度もあるため「過度な負担増にはならない」としています。ただし、資産要件の線引きやケアマネジメント負担導入との整合性、低所得層への配慮など、制度設計の詳細詰めが今後の焦点です。
今後のスケジュール
- 2026年度内:厚労省の介護保険部会が年収基準・資産要件の具体案を整理。
- 2027年度(第10期計画開始前):政省令改正を経て対象拡大を施行する方向。
- 2028年度まで:負担上限額や適用範囲の効果検証を行い、必要に応じて見直し。
政府は同建議を踏まえ、予算編成過程で制度改正を具体化する予定です。利用者・事業者双方が制度変更を円滑に受け入れられるよう、周知と経過措置の設計が鍵となります。