「がん・難病・長期処方は追加負担なし」厚労省がOTC類似薬保険除外リストを公表――2027年3月施行へ
厚労省、OTC類似薬の保険除外へ――対象疾患リストを初公表
厚生労働省は2026年6月25日に開いた「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」(第1回)で、保険から一部除外する77成分(約1100品目)の医療用医薬品について、追加負担を求めない対象疾患・患者区分の考え方を整理したリストを公表しました。公表資料は同省保険局がまとめた検討会資料PDFに掲載され、がん治療中の患者や指定難病患者など、負担軽減が必要と判断されたケースが明確化されています。
これにより、2027年3月に予定される制度施行を前に、医療機関や薬局、患者が具体的に備えるべき範囲が示されました。厚労省は「公平で効率的な給付を維持しつつ、通院治療を継続する患者の不利益が生じないよう配慮する」と説明しており、今後も技術的検討会で詳細を詰め、社会保障審議会医療保険部会へ報告する方針です公式ページ。
リストに示された6類型の疾患・患者
公表資料では、追加負担を求めない対象を以下の6類型に分類しています。疾患名を限定するのではなく、治療状況や医師の判断を加味して適用範囲を決定することが特徴です。
- がん患者:薬物療法・放射線療法・緩和治療など「がん治療中」の状態に限定
- 指定難病等の患者:難病法に基づく治療と関連する療養を対象
- 入院患者:入院期間中に処方された対象成分の薬剤
- 処置・手術等の一環で処方されるケース:抜歯後の鎮痛薬など、処置と不可分な投薬
- 長期使用が医療上必要な患者:年間50週以上処方が続く内服薬、医師が日常的塗布を指示する外用薬など
- OTC医薬品を「服用しないこと」とされる妊婦等:添付文書上禁忌の人への処方
追加負担の具体像と計算方法
制度開始後は、上記6類型に該当しない外来患者が(例:軽度の関節痛でロキソニン錠を処方された場合など)、薬剤費の25%を自己負担として追加で支払うことになります。例えば薬剤費が1,000円なら追加負担額は250円となり、現在の3割負担とは別に請求されます。負担額はレセプト上で「一部保険外療養費」として区分され、窓口で合算徴収される仕組みです。
一方、上記6類型に該当する処方では追加負担は発生せず、従来どおりの自己負担割合(一般外来で3割、高齢者は区分に応じた割合)のみが適用されます。厚労省は医療機関向けにレセプト記載例を提示し、誤請求が起こらないよう電子カルテ・調剤システム会社と連携して周知を図る考えです。
医療現場と患者への影響、今後のスケジュール
医療現場では「患者説明の負荷増大」や「OTC購入への誘導による服薬管理の複雑化」が懸念されています。特に花粉症や腰痛など軽症の慢性疾患で受診している患者は、経済的動機でOTCに切り替える可能性が高く、自己判断での服薬リスクが指摘されています。厚労省は2026年8月6日に中間とりまとめを公表し、8月20日までパブリックコメントを募集中です。
その後、2026年秋に告示改正を行い、2027年1月から試行的レセプト運用、2027年3月1日に本格施行という工程表が示されています。医療機関・薬局は年内にシステム改修と院内マニュアル整備を完了する必要があり、患者向けリーフレットや多言語案内も順次提供される予定です。