再雇用でも社会保険を切らさない!4分の3基準・20時間基準でわかる継続加入完全ガイド
退職後すぐの再雇用でも社会保険を切らさずに済むワケ
定年退職や一旦の退職後に、同じ会社やグループ会社で「再雇用契約」を結ぶケースが増えています。ここで気になるのが健康保険・厚生年金などの社会保険。実は「使用関係が一度途切れた」と扱われても、所定の手続きを同月中に行えば資格喪失と新規取得を連続処理でき、月をまたいで保険が切れる心配はありません。日本年金機構は「60歳以上の方を退職後1日の間もなく再雇用した場合は、喪失届と取得届を同時提出することで連続加入が可能」と公式に示しています。給与テーブルが変わっても標準報酬月額を再設定できるため、再雇用後の保険料も適正額でスタートできます。これが「継続加入が可能」と言われる仕組みです。
継続加入できる「一定の働き方」とは?――4分の3基準と20時間基準
再雇用後に社会保険を維持できるかどうかは、週の労働時間・日数と賃金水準で決まります。厚労省は通常労働者の「4分の3以上」働く人はフルタイム同様に加入対象とし、それ未満でも以下4要件を満たせば短時間被保険者として加入できると定めています(日本年金機構 FAQ)。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 賃金月額が8.8万円以上
- 雇用期間が2カ月超見込み
- 学生でないこと
再雇用契約でも上記を満たせば保険資格を継続できるため、「短時間だから外れる」と決めつけるのは早計です。特に賃金基準は最低賃金改定に伴い見直される可能性があるため、毎年のチェックが欠かせません。
会社が行うべき手続き――喪失届&取得届を“同月同時”に
退職日と再雇用契約発効日が同月の場合、事業主は被保険者資格喪失届と資格取得届をまとめて年金事務所へ提出できます。日本年金機構の手引き(届出不備事例集)によれば、就業規則や労働条件通知書の写しを添付し「退職→継続再雇用」が客観的に分かる資料を示すことがポイント。不備があると届出が差し戻され、資格取得日がずれて保険料二重負担や未加入期間が発生するおそれがあります。
また健康保険証の番号が変わるため、再交付された新保険証を受け取るまでの間は旧証の返却タイミングに注意しましょう。医療機関受診時に資格確認ができないトラブルを防ぐため、会社は被保険者へ届出状況をこまめに知らせることが大切です。
保険料はどう変わる?――シミュレーターで事前確認
再雇用後は賃金が下がり、標準報酬月額が大きく変動する例が少なくありません。厚労省の「社会保険料かんたんシミュレーター」(適用拡大特設サイト)を使えば、給与テーブルを入力するだけで会社負担・本人負担双方の年間保険料を概算できます。特に高年齢雇用継続給付の支給を受けている場合、標準報酬月額が下がると年金在職老齢年金の支給調整も緩和されることがあるため、トータル手取りでプラスになるケースも。再雇用条件の交渉前に試算しておくと安心です。
人事・総務が押さえるべきチェックリスト
- 退職日と再雇用開始日を同一月内に設定する
- 雇用契約書に労働時間・賃金を明記し、4分の3基準または20時間基準を満たすか確認
- 喪失届・取得届を同時提出し、添付書類で継続雇用を証明
- 新旧保険証の受渡しスケジュールを社員に周知
- 月額変更届・算定基礎届の時期を把握し、報酬と標準報酬の乖離を防ぐ
上記を着実に行えば、再雇用者が安心して働き続けられ、企業も社会保険料の追加コストを正確に管理できます。制度改正や適用拡大のスケジュール(厚労省特設サイト)も随時更新されているため、最新情報のウォッチを忘れずに。