東京海上HD、35年度に純利益1.7兆円へ 非保険ソリューション事業10倍で世界トップ級へ

東京海上HD、35年度に純利益1.7兆円へ 非保険ソリューション事業10倍で世界トップ級へ
ライター:101LIFE 編集部

東京海上が35年度に純利益1.7兆円を掲げた狙い

東京海上ホールディングスは2026年5月26日のIRカンファレンスで、2035年度(35年度)の修正純利益を1兆7000億円以上へ引き上げる長期ビジョン「Aspiration 2035」を発表しました。同社IR資料によれば、2025年度実績(8815億円)の約2倍を10年で達成し、グローバル保険大手並みのROE17%以上を確立する方針です。

小池雅弘社長は説明会で「利益成長が資本コストを恒常的に上回る状況をつくる」と強調。利益目標は配当や自社株買いの原資になるため、株主還元と成長投資を両立させる経営姿勢を示した格好です。

非保険領域を担う「ソリューション事業」を10倍に

35年度の利益成長を牽引するのが、保険以外の“事前・事後”領域を対象とするソリューション事業です。IR資料ではこの新領域の利益を現状約100億円規模(25年度比)から1000億円へと10倍に拡大すると記載されています。Bloomberg報道も同目標を裏づけており、全社の成長エンジンとして位置づけられました。

  • 防災・減災コンサルティング「東京海上レジリエンス」
  • 物流・モビリティ向けリスク管理サービス「東京海上スマートモビリティ」
  • サイバー保険に付帯する24時間対応サポート
  • 脱炭素支援のPPAモデル保険など

これらは公式サイトの「価値提供領域の飛躍的な拡大」ページで詳しく紹介されており、同社は保険商品の枠を超えた課題解決型サービスを次々投入しています。経営戦略ページ

地域・商品分散でリスクを抑えつつ成長

同社は北米57%、日本32%に依存する現在の利益構成を、2035年までに中南米・アジア・欧州比率を高めることで地理的リスクを低減します。また、損保・生保に加えソリューション収益を柱に据えることで、リスクの相関を抑えたポートフォリオを構築。IR資料ではリスク量を分散前4.1兆円から2.3兆円へ圧縮できると試算しています。

こうした分散戦略は「保険+投資+ソリューション」という三つの利益源をバランスさせる設計で、景気変動や自然災害など外部ショックへの耐性を高める狙いがあります。

M&Aと資本政策―バークシャー提携で加速

東京海上は2026年3月、米バークシャー・ハサウェイと戦略的提携を締結。IR説明資料では「大型M&Aの選択肢拡大」が提携効果として明示されました。北米スペシャルティ保険や新興国成長市場への投資に加え、先端テクノロジー企業の買収も視野に入れ、ROE改善とEPS成長の両立を図ります。

  1. 資本効率を高める自己株取得と配当引き上げ
  2. 政策保有株の売却による資本循環サイクルの加速
  3. 規律あるM&Aで海外・非保険分野を補強

これら資本政策により、同社は株主価値創造を中核に据えつつ、長期的な成長投資を継続する構えです。

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