MS&ADが2027年4月に自動車保険料を平均6%引き上げへ 背景・影響・今後の見通しを総まとめ
MS&ADが来春の自動車保険料引き上げを検討
損保大手のMS&ADインシュアランスグループホールディングスは2026年5月26日、傘下の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の商品統合を予定する2027年4月に合わせ、自動車保険の保険料を平均約6%引き上げる方向で調整していると明らかにしました。保険金支払いの増加や修理費の高騰が主因で、火災保険も約5%程度の引き上げを視野に入れています。朝日新聞(2026年5月27日閲覧)
同社は昨年以降、自然災害や部品価格の上昇で損害率が悪化しており、2025年度決算説明会でも「収支改善には一段の料率見直しが不可欠」としていました。今回の案は金融庁への届出前段階であり、実施には関係当局との協議が必要になりますが、損害保険各社の値上げが相次ぐ中で業界全体の動きを左右する可能性があります。
値上げ幅と時期の詳細
想定される料率引き上げ幅は自動車保険で平均約6%、火災保険で約5%。実施時期は「来春」と報じられていますが、具体的には2027年4月の契約始期分から適用する方向で検討が進んでいます。対象は個人向けノンフリート契約が中心で、法人フリート契約や特定割引制度については現時点で詳細未定とされています。徳島新聞(2026年5月27日閲覧)
保険料率の改定には「損害保険料率算出機構」が算出する参考純率が一つの目安となりますが、最終的な料率は各社の損害率や費用率を踏まえて自主的に決定されます。今回の想定幅は、2025年1月改定(平均3.5〜5%)や他社の2026年1月改定(約7.5%)と比べ、中間的な水準です。
家計・ドライバーへの影響
自動車保険は車検時などに一括払いする契約者が多く、今回の引き上げが実施されれば、普通乗用車(保険料年額5万円前後)の世帯でおよそ3,000円程度の負担増になる計算です。家計への影響を抑えるため、
- 複数台所有の「セカンドカー割引」
- 安全運転を評価するテレマティクス割引
- インターネット契約割引
など、既存割引の活用がこれまで以上に重要になります。また、近年人気が高まる「走行距離連動型」や「車両リース一体型」商品への切り替えも検討材料となります。
今後の焦点とスケジュール
MS&ADは2026年夏までに正式な改定率を決定し、同年秋にも金融庁へ届出を行う見通しです。届出後は保険募集人への説明や契約更新時の案内が順次行われ、契約者への影響が明確になります。業界他社も状況を注視しており、改定幅が同水準に収れんする可能性が高いとみられます。
一方で、2023年に発覚した損保各社の企業向け保険料調整問題以降、金融庁は保険会社の説明責任や情報開示姿勢を厳しくチェックしています。MS&ADは「保険料の透明性確保」と「持続可能な商品提供」を掲げており、今後のリリースでは料率算定プロセスや災害リスク分析の詳細説明がカギを握りそうです。