利用率4%台で立ち往生するマイナ保険証 公式資料が示す現状と課題、医療現場の切実な声と今後の焦点を徹底解説

利用率4%台で立ち往生するマイナ保険証 公式資料が示す現状と課題、医療現場の切実な声と今後の焦点を徹底解説
ライター:101LIFE 編集部

利用率4%台の現状

厚生労働省が2024年11月の医療保険部会に提出した資料によると、オンライン資格確認を利用した受診件数のうちマイナ保険証が使われた割合は2023年10月でわずか4.49%にとどまりました。前年同月の2.26%からは上昇したものの、政府が掲げた「2024年度末50%」という目標とは大きな開きがあります。制度開始から2年余りを経て4%台に低迷している現状は、医療・保険の関係者に強い衝撃を与えました。厚労省「マイナ保険証の利用促進等について」資料

同資料の折れ線グラフを見ると、最も低かった2022年6月(1.52%)以降は緩やかな右肩上がりながら、2023年半ば以降は伸びがほぼ停滞。紙の保険証提示が依然として主流であることが浮き彫りとなっています。

低迷を招いた三つの壁

  • 受付対応の負担増:顔認証付きカードリーダーの操作説明やエラー対応に時間がかかり、外来混雑時の導入をためらう医療機関が少なくありません。
  • 利用者メリットの実感不足:「紙の保険証でも困らない」という声が根強く、医療費控除や薬剤情報閲覧などの利点が十分に周知されていない点が課題です。
  • システム・インフラの不安:通信障害や資格情報誤登録の報道が相次ぎ、「トラブルが起きたら診療が止まるのでは」との不安が利用控えにつながっています。

これら複合的な要因が重なり、ポイント付与などのインセンティブ施策だけでは利用率を押し上げ切れなかったと分析できます。

政府の打開策と医療現場のリアル

政府は2025年9月からスマートフォンをマイナ保険証として使える仕組みを開始し、カード忘れへの心理的ハードルを下げる狙いを示しました。厚労省「スマートフォンのマイナ保険証利用について」 さらに、2026年2月の速報値では利用率が49.89%まで上昇したと公表されています。全国保険医団体連合会まとめ

一方、現場の医師からは「患者説明に時間がかかり診療効率が落ちる」「高齢者対応では依然として紙が安心」という声も多く、設備投資補助や操作支援員派遣など“地上戦”の支援が不可欠との指摘が続いています。

制度定着への鍵

4%台の低迷を脱するためには、①受付フローを簡素化するUI改善、②薬剤・健診情報の共有による診療メリットを患者が体感できる形で可視化すること、③万一のシステム障害時でも診療が止まらないバックアップ手順の徹底――が鍵となります。デジタル庁や厚労省が進める資格確認書の自動発行や地方自治体の窓口支援を含め、国・医療機関・患者が三位一体で課題に向き合う姿勢が求められています。

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