MS&AD来春に自動車保険6%・火災保険5%値上げ検討 背景と家計防衛策をわかりやすく解説
MS&ADが来春に自動車保険6%・火災保険5%値上げを検討―修理費高騰と災害リスクが背景
損害保険大手のMS&ADインシュアランスグループホールディングスは2026年5月26日、傘下の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が来年4月に合併するタイミングで、自動車保険を平均約6%、火災保険を約5%引き上げる方向で検討していると発表しました。値上げ幅は部品価格の上昇や自然災害による損害率悪化を反映したものです。詳細は朝日新聞やMS&AD公式サイトで確認できます。
今回の改定が実施されれば、保険料収支の改善とグループ一体での商品提供が同時に進む見通しです。自動車保険は修理単価や人件費、火災保険は大型台風の増加による支払額の膨張が大きく影響しており、「早期に適正水準へ見直す必要がある」(同社)としています。一般契約者にとっては負担増となる一方、長期的な保険サービス維持に欠かせない措置とも言えそうです。
背景:修理費高騰と自然災害の頻発
自動車保険では、EV・先進安全装備の普及に伴い部品コストが急伸し、交換・調整に専門技術が必要となることで工賃も上昇しています。損傷1件あたりの平均修理費は2019年度比で2割近く増え、損害率を押し上げる要因となっています。火災保険では大型台風や線状降水帯による水災が相次ぎ、保険金の支払額が高止まりしています。2018〜2025年度の平均支払額は過去10年平均を3割上回り、収益を圧迫しています。
さらに、再保険料の国際的な高騰も国内損保のコスト負担を重くしています。再保険市場では巨大災害の多発を受けて2024〜2025年に掛金が3年連続で引き上げられ、一次保険会社であるMS&ADも料率改定でコスト転嫁を迫られる格好です。こうした複合的な要因が、今回の6%・5%という改定幅の根拠になっています。
家計への影響と加入者が取れる対策
値上げにより保険料の年間負担が数千円規模で増える見通しですが、以下の方法で吸収できる場合があります。
- 補償の重複チェック:車両保険の免責額を上げる、火災保険の家財補償額を実勢価格に合わせるなど、過剰補償を見直す。
- 長期契約の活用:火災保険は5年など長期一括契約にすると、年払いより総額が抑えられるケースが多い。
- 安全運転割引の活用:テレマティクス型など走行データを活用した商品を選び、安全運転で割引率を高める。
- 複数契約割引:自動車と火災を同一グループでまとめる一括割引を利用する。
今後のスケジュールと業界動向
MS&ADは今夏までに金融庁へ料率改定の届出を行い、審査を経て2027年4月保険始期分から新料率を適用する計画です。並行して商品統合後の約款改定や代理店向け説明会を実施し、年内に顧客への案内を開始するとしています。徳島新聞報道によれば、他の大手2社も既に改定済みであり、業界全体での料率是正が進んでいます。
保険料の連続的な上昇は消費者負担を高める一方、損保各社の健全性確保とサービス維持に不可欠です。加入者は料率の動向に注意しつつ、補償内容の最適化や各種割引制度の活用で影響を最小限に抑えることが望まれます。